前回の投稿に、ご意見やコメントをいただきました。
で、そこでさらに考えたことを書いていきます。

まず、「せめてそのお母さんがひと言、ありがとうございましたとか、お手紙一筆書くとかしてくれたら、よかったのに」というご意見。

これはまっとうな感想、感情だと私も思います。

「要求するときはギャーギャー言ったくせに、
さんざんかき回して、いなくなるときはあいさつなしか」
という気持ち、よくわかります。
当時の関係者の中に、こういう感情が渦巻いていなかったかというと、
少なからず、あったでしょう。

で、ここで改めてこのお母さん(脚色しているので架空の人物に近いです)の
態度のことを振り返ります。

重度の肢体不自由のあるわが子のために、教育委員会と学校を動かし、
ブルドーザーみたいに強引だったかもしれないけど、
通学できる環境を整えさせた。

でも、何かの事情で数か月で転校するときには、一切あいさつがなかった。

で、です。
まず、ブルドーザーみたいに強引にやらないと、
環境整備ができない状況って、やっぱり「みんなの学校」じゃないかもね、
というところ。
これはそのお母さんが数年間の子育てを通じて、
痛感してきた部分じゃないのかな、と思います。
おとなしくしてたら、何も言わなかったら、バスで特別支援学校に通学する、
という一択だったでしょうから。
そうではない選択肢を保証してもらうには、かなり強引なやり方でないと、
実現できなかったのだと思うのです。

そして、何もいわないで行っちゃった、というところ。
私もせめて、毎日交代でわが子の世話をしてくれていた方たちには
ひと言お礼をいってほしかったなぁ、挨拶してほしかったなぁと
そういう気持ちはあります。

でも、お母さんが必死で整えた状況が、
「これじゃない」と感じるものだったら、
次の環境整備にむけたブルドーザー作戦で手一杯だったでしょうし、
そもそも、お母さん個人が、ブルドーザーにならなきゃいけないって、
ちょっと違うのでは?とも思うのです。

まず「こうしたい」という意向があっても、
それを聞いた学校や、教委や、自治体や、地域が
「無理無理! 特別支援学校があるじゃない! そっちそっち」と
聞く耳はなかったんじゃないか。
だから、ブルドーザーとしてガンガンやった。

もし「どうしたらそれを叶えられるか」と
みんなで考えてくれたら、このお母さんは一人で頑張らなくてもよかった。

入学してからも、みんながもう一歩、半歩、踏み込んだら、
「実は、こういうところが不十分だと感じている」とか
「さらによい環境を求めて転校を考えている」とか
正直な気持ちを打ち明け、相談できたんじゃないのか。

あの時、関係者は精いっぱいやったけど、
ブルドーザー攻撃(←攻撃、と感じるぐらい激しいやつ)に対して
ちょっと、いや、かなりげんなりしながら、
「ここまでやってやったんだから、文句はないだろう?」という
ちょっと上からな感じが、全体的ににじみ出てなかったか。

実際「ここまでしてるのに、お母さんからお礼一つない」という
不満を表す人は関係者の中にたくさんいました。
子ども自身が「いつもお世話になっています」という態度を示さない、
という不満を口にする人もいました。

でも、そもそも障害を持つ子を育てている親が、
子どもが快適に学ぶために求める環境整備を
「遠慮しながら」「下手に出て」「お願い」するのって
なんか違うかもね、と思うわけです。今になって、なんだけど。

ましてや、小学生になったばかりの子が
毎日「おばちゃんお世話になります」「いつも迷惑をかけてすみません」と
言葉や態度で示せないと、なんとなく面白くない気持ち、って
どこから来るんだろう、っても思うのです。

学校に、クラスに、周囲の人に負担をかけ、
無理やり普通級に通学するより、
環境の整った特別支援学校のほうがその子は快適に学べるはず、
というのは誰が決めるんだろう?

突然の転校でその子がいなくなり、
お世話役を務めていた友人が涙を流しました。
すごく楽しそうに通ってたのに。
勉強も頑張ってたのに。
今どうしてるんだろう? 
新しい学校で楽しくやれてるかしら?

私はここが主題なのかな、と思うんです。

親が謙虚に周囲にへりくだってお願いして、
いつも感謝の気持ちを忘れず、
礼儀正しく接しているからではなく、
その子に学ぶ意欲があり、
普通級で友だちと一緒に過ごしたいという希望があり、
そこにいて楽しいと思うなら、
親がどうだろうと、制度や施設がどうだろうと、
まずはその気持ちを受け止める方向、
実現する方向にみんなが向いて、
どうしたらできるかを考える。

それが「みんなの学校」じゃないのかな。

結果的に難しいことはたくさんあって、
実現できないこともあるかもしれないけど、
そのためにみんなが力を尽くすってことに
たくさんの人の学びがあるんじゃないかな

そんなことを考えました。

例によってまたまたまとまらないけど、
とりあえず投げてしまいます。

みなさんのご意見も、伺いたいです。
コメント、「お問合せ」からのメール、
個人的なお知り合いはラインでも、電話でも、
お待ちしております。

誤解しないでくださいね。特別支援学校が悪いっていうことじゃないですよ。
その子がどうしたいか、どういう選択肢があるのか、
そこから選び取ることができたのか、
希望を伝えることができたのか、できるのか、
という部分なんです。

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