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まだ私が学生の頃のお話です。

教育大学の小学校教員養成課程に学んでいた私は、
とりあえず、全教科分の単位をとらなきゃいけなかったのです。

そしてそれはそれで楽しかったんです。
体育も音楽も図工もあるわけだから(笑)

中でも音楽は嫌いじゃない。
で、手持ちの楽器で参加できるクラスということで
「リコーダー」のクラスを選びました。
アルトとソプラノのリコーダーで受講可能。
(小学生のときと、中学生のとき、使ってたヤツ(^^ゞ)

で、初回の講義に出席してみたら、
なんとびっくり。完全に「お呼びでない」状態。トホホ。
みんな、なんかすごくレベル高い。
リコーダーも、すごいの持ってたりする。
完全に実力が足りてないことが、
初回で判明してしまったのです。

コレは参った。
提供される楽譜なんかもう読めない、たどれない。
なのに、クラスの人たちは
楽譜を前にして、ハミングでたどりはじめる。
私は全身?マークで満たされ、
とてもいたたまれなくて、
教授に相談したのです。

その返事が
「君さぁ、今更、履修変更もできないから、
黙って吹いてるフリしてなよ」

教授にしてみれば、
いたたまれない気持ちの私を
ラクにするつもりでそう言ってくれたのだと思います。

「優」はつけられないまでも、
毎週頑張って出席したら単位はあげるから
安心していいよ、というようなニュアンス。

今考えればいい先生だった。

でも、その時の私は猛烈に腹が立ったんですよね~。

あまったれてるかもしれないけど
「わかった、できるバート用意するわ」とか
「シンプルにした楽譜用意するから、それでやってみな」とか、
言って欲しかった。

せめて
「ワンフレーズだけでもいいから、ついて行けるように頑張れよ」とか
言って欲しかった、と思う。

この実習では完全にお客様。
邪魔にならないように、
じっとだまってリコーダーくわえてる90分間。

それは、ツライ。

必修単位だし、
そもそも時間割ぎっちりです。
履修変更は無理。
この音楽の単位のために留年?という
最悪の事態も頭をよぎる。
それはダメだ! 許されない!

仕方なしに、おもちゃみたいなリコーダーで
自分なりに工夫して、指が動いて、
吹けるところだけ吹く、後は黙って座ってる、
という半年を過し、単位だけは頂きました。

でも、なんかすごくもやもやしてた。

小学校の教員を養成するこのクラスで、
卒業していく仲間たちは、
「できない」と言う子に
「いいから黙って座ってなよ」
「歌ってるフリ、演奏してるフリしてたらいいから」って
親切で言うんだろうか?

それは違う。絶対違うよ。
だって、こんなに寂しくて、惨めなんだもん。

それから私は母親になり、
そんなことがあったことも忘れていた10数年後、
「またか」という事態に巡り会ってしまいます。

運命なのか、それともたまたまなのか。

つづきます

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