「いただきます」「ごちそうさま」と同じように、
「おはよう」「こんにちは」「こんばんは」
「いってきます」「ただいま」
「さようなら」
「ありがとう」

というような、
ごくごく基本的なあいさつの言葉も、
消えていく一方です。

LINEではスタンプでやりとりをし、
現実の世界で会った人とは無言。

イイネ!は押しても、
「いいね」「すてきね」と現実の世界で口に出しては言わない。

専門学校の学生たちに、
「今朝、起きてから今まで、
誰かに『おはようございます』と言った人は?」と聞いたら、
ほとんど手が上がりませんでした。

一人暮らしの子だけでなく、
家族と暮している子も、
「おはよう」とも「いってきます」とも言わずに
学校に着いて、
友だちにも「おはよう」と言わないで席に着いていたのです。

その子たちに
「面接で志望する会社に着いたら、
出会う方には必ずあいさつしなさい」
と言っても、それは無理というものです。

そして、
「あいさつは人とひとの距離を縮めますよ」と話しても
ぽかんとしている子の多いこと。

あいさつをしたことがないから、
されたときの気持ちよさもわからないのです。

二十歳前後の学生たちを前にして、
「人はあいさつをしてもらうと気持ちがいいのです。
それは承認欲求と言って、
相手に認められたいという気持ちが満たされるからです」
なーんて、理屈っぽく説明している自分に戸惑いましたし、
それを「へえーっ」と
新鮮な驚きと共に聞いている子どもたちにも
やりきれなさを感じました。

人は一人では生きていけないのに
「無駄を省く」
「面倒なことは避ける」
と20年生きてきたら、
あいさつでさえ無駄、面倒、と感じる
若者になってしまった、
そう思いました。


ジュニアマナーズ協会の本
ご購入はこちらから↓

こちらも増刷完了しています!

にほんブログ村 シニア日記ブログ いきいきシニアへ
にほんブログ村

ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村