暴言を吐く老人……

3か月くらい前の話なんですが、
あるブログにこんな記事が……
障がい者手帳を持ってバスに乗り込んだ方が
手帳を出して割引の手続きをしてもらっていた。
そうしたら車内にいた老人が
舌打ちしたり
床をドンドンしたり
車内の柱をカンカンたたいたりして急かして
挙句の果てに「早くしろ」って怒鳴られた。

それについたコメントは
「そんなひどい人がいるんですね」とか
「私も手帳を持っていますが、経験あります」とか
まあ、当然のことながら
その方に対して共感して
暴言を吐いたりイライラしたそぶりを見せた老人には
「なんてひどい人なんだ」
「〇んじゃえぱいいのに」
みたいな強い言葉が並んでおりました。

まあ、そうですよね。
当たり前と言えば当たり前。

去年までの私もそう思っただろう。

でも今年は違う。
ただただ胸が痛かった。

だって、とどさんだってやりかねないもの。
自分の思い通りにならないとあからさまにイライラしちゃうし
太っている人には「デブ」といい
その他放送できない「ピー」語を、
公共の場所で発しまくるとどさん。

もともと穏やかな人ですから
まだバスの中などでトラブルになるようなことはないけど
「あの人の荷物重いのかな？　汗だくだよ」
「あの人が太ってるのはたくさん食べるからかな？」
なんて、ただ電車に乗り合わせただけで
見ず知らずのおじいさんに言われちゃうなんて
お気の毒すぎます。

私もヘルプマークをちらつかせて
「ご容赦ください」「認知症なんです」
みたいなことを口パクで言って
その場を切り抜けようとしているわけですが
私みたいなすてきな妻をもたず
一人で外出している方は
このブログのようなことになるかもなあと。

不穏になったときには
もっとひどいことを言ったり、したりするとどさん。
そんな時には公共の場には行かないけれども
もし彼が一人暮らしで
バスに乗ったり電車に乗ったりしたら
とんでもない暴言じじいとなるに違いない。

でも、これが現実。

ヘルパーさんも家族にも頼れない
認知症の方は
本当にたくさん世の中においでだと思う。
とどさんの認知症発覚以来
街を歩いていても「あれ？」と
気づくことが多くなった。

可能な限り踏み込んでおせっかいをするけれど
そうできない場合も多い。
相手が明らかに不穏だったら
たとえ家族のとどさんでも怖いもの。

診断の機会に恵まれず
一人暮らしで
どんどん不安になって
周りの人にあたり散らして
さらに孤独感を強めていく方
きっといるんだろうなあ。

そういう人は、
都会では人込みに紛れて
「いないこと」にされちゃうんだろうなあ。

認定を受けていても「あっち」に
合わせないと使えない介護制度
いわんや
認定受けてなければ
何もしてもらえないよね～？

この世の闇は深い。

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