めちゃくちゃ書きにくいけど、
このことについて書きます。

ラグビー人気が高まる中、
いや高まっているからこそ、
ニュースのバリューがあるということで、
あちらこちらで取り上げられています。

ラグビーファンは
落胆と怒り。
私も、なんでやねん! 
というのが正直な気持ちです。
でも

ラグビーは心身共に健康で屈強な人間を育てるんじゃないのか!?

というのは幻想だと私は思います。
人間はそもそもそんなに強くないし、
生きていればいろんな誘惑にもさらされる。
大量の部員の中で、切磋琢磨する日々に、
疲れることもあるでしょう。
そんなすき間に簡単に入り込んでくる、
黒い誘惑も、世の中に溢れています。

ラグビーを通じて、いや、ラグビーのみならず、
スポーツや、芸術や、仕事や、子育てや、
何を通じてでも、人は成長できるし、挫折もする。
がんばってもがんばっても結果が出ないことはあるし、
目指すゴールはあったのに、
「どうがんばってもあそこにはたどり着けない」と
見切りを付けざるを得ない場合もあるでしょう。

そんなときに、
「このぐらい平気だよ」
「これぐらいならばれないよ」
「大なり小なりみんなやってるよ」と
誘惑されて、ふらふらとそちらにいってしまう、
と言うこともあると思います。

子どもじゃないのに、
二十歳も過ぎて何をやってるんだ、と
おとなはいうけれど、
まだ二十歳。

まだまだ若い。
やり直しはできます。
ひどいことやっちゃったけど。
仲間の人生もめちゃくちゃにしちゃったけど。
でも、それを必死で、命賭けて、償って、
なんとか報いるために、
その後の人生を使うこともできます。

これから先、同じように「ちょっとぐらい」と
誘惑に負けそうな人に、
自分のとんでもなく、情けないこの経験を伝えて、
踏みとどまらせることもできるでしょう。

また、他の部員はとばっちりを食った、
と思うかも知れない。
活動停止、という判断について、
厳しすぎるという意見もあります。
私も部員の親だったら、そう思ったかもしれない。
でも、これは組織の問題でもあると思います。

そもそも、そんな心のすき間があるのに、
誰も気付かなかったというのは、残念すぎます。
指導者たちが、知らなかった、気付かなかったというなら、
打ち明けてもらえなかった自分を恥じるべきです。

彼が「このくらいならばれないよ」のレベルで手を出した時に、
仲間が全員知らなかった、というのなら、
それは組織としてアウト。
寮で暮していて、誰も知らなかった、というのは、
仲間としてどうなんだろう、と判断されてもしかたがない。

ここからは推測ですが、
全員とはいわなくても、
その事実を知った数人がいたとして、
そのことに対して適切に対応できなかったとしたら、
やはりそれは組織の問題です。

ちゃんと組織に話をして、
組織として対処すべき時に対処しなかったから、
そういう組織ではなかったから、
無期限活動停止、なんです。

本当に何にも知らなかった部員もいるでしょう。
たまたまそのときに部に所属し、
寮で暮していただけで、
疑われる学生たちがいるのは気の毒ですが、
残念ながら、世の中はそういう風にできています。

じゃあ、これからどうするか。

やはり、しっかり切り替えて、
次の道を見つけないと。
ショックだろうし、
何も考えられないかもしれないけど、
人生は続きます。
ただ大学に所属してラグビー続けて、
なんとなく就職したかもしれない人生より、
いい人生にする方法はゼロではない。

ラグビーを続けたいなら、他大学への編入。
どんなツテでも、全てを駆使して、
自分をアピールして。
トップリーグやクラブチームに売り込むこと。
思い切って海外に行っちゃう、というのもアリでしょう。

ラグビーに嫌気が差したなら、
しっかり学業にシフトして、
資格を取る、就活に全力をあげる、でもいい。

誰の人生でもない、自分の人生だから、
誰か、何かを、恨んでいるヒマはありません。

同じように、このタイミングで、
入学、入部が決まって、
希望に燃えていた高校3年生も。

今ならまだ受験できる大学はあります。
さらに、浪人を覚悟して、
一年間、本気で勉強すれば、
やりたい勉強ができる大学に入れます。
必死でトレーニングして、
クラブチームで研鑽を積み、
関係者にアピールすれば、
他大学からスカウトだってくるでしょう。

本当に残念ですが、
「運」「不運」はあるのです。

すぐ行動!

若いんだから。やり直しはいくらでもできる。

周りのおとなのみなさんにお願いです。
どうぞ、彼ら一人ひとりに力を、知恵を貸してあげてください。

人生は、いつでも、どこからでも、
やり直しができること、
あれがあったから、今の自分がある、と
「不運」を糧にすることできること、
おとなのみなさんから本気で伝えてあげてください。