この時期、「合格!」 「サクラサク!」という
うれしいお知らせが届くと同時に
「だめでした」「残念ながら……」というお知らせもいただきます。
そんなとき、私がずっと言い続けているのが
「ご縁があったのが一番いい学校」ということ。
どこにもご縁がなかったら、
一年お休みというのが一番いい結果!
いろんな事情があるでしょうが、
それでも、そこにご縁があったのなら、
そこが一番自分にとっていい学校と思って、
春から心機一転! 楽しもう! というのが
私からのメッセージです。
そりゃ、挫折感とか、失意とか、後悔とか、
いろいろあるのはわかります。
自分が着たかった制服に身を包んで登校する新入生らしき人を見たら、
親も子も、顔を伏せて通り過ぎたくなる気持ちも痛いほどわかります。
でも、一方で、
自分が顔を伏せて……と恥じているすべり止めの学校を
第一志望に据えて、努力を重ねて合格を手にした人もいるはず。
「こんな学校に来るはずじゃなかったのに」と思いながら生活するのも
「よかった~! やった~!」と思いながら生活するのも、
同じ場所で過ごす時間。
そうなんだったら、前者のほうがはるかに精神衛生上いいですよね。
切り替え! 切り替え!
また、よく保護者、特にお母さんたちから
「私の頑張りが足りなかった」
「もう少し計画的に勉強するようにしつけたらよかった」
「志望校の絞り込みのとき欲張らせすぎた」などという
反省の弁を聞くことも少なくありません。
ここでも、「でも」と私は思います。
気持ちはよくわかる。
落ち込み、
悔し涙を流すわが子を目の前にして、
「私にもっとできることがあったのでは」と
自分を責めたくなる気持ちもわかります。
でも、学校を選ぶのも、試験を受けるのも、
そこで生活するのも、親でなく、子どもです。
代わってはあげられない。
もし、親がムキになって関わったら、
もっといい結果が手に入ったでしょうか?
私はそうは思いません。
もっとこじれていたかもしれない と思います。
思春期の今、悔し涙を流したり、
どんより落ち込んだりするのは、
お子さんの成長にとって、
ものすごく貴重な経験になりえます。
ただ、そこから何を学ぶか、学ばないかも、
お子さん次第。
その学校を卒業する三年後、四年後には、
お子さんはさらに成長しているでしょう。
親の出る幕はどんどん少なくなる一方。
「親にできること」はお金の用意ぐらい?
↑できればそれも本人にしてほしい……
ここからの数年間
「ほら、高校受験でリベンジだよ!
大学受験で見返してやれ!」なんて
お尻をたたき続けるのなんて無意味です。
毎日過ごす場所で、
どれだけ楽しめるか。
そこにいる時間を大切にできるか。
そこが辛い場所なら、
どこに居場所をみつけていくか。
それはお子さん自身にお任せしませんか。