ふりん……

画像はクリエイティブコモンズのものをお借りしました。

ふりんって
漢字で書くと、すごくいけないことのような印象ですね。
ひらがなだと
プリンの親戚とか
フリルの仲間みたいだ(笑)

たかだか60年ちょっとの人生ですけど、
普通の、市井の、暮らしをしている人たちの間でも、
「ふりん」は珍しくないです。

年代的に「今じゃなきゃ」という時期があるのか、
熟年、と呼ばれる年代では、
わたしのまわりでも、たっくさんの、
「え？　あなたも？」という人が、
恋に落ち、我を忘れ、熱病に浮かされるような時期を過ごしていました。

最近はちょっと落ち着いてきたかな。
新しいパートナーと新しい暮らしを始めるか、
何かをきっかけに「区切り」をつけるか、
そのまんまゆるゆると関係を続けるか、
なんとなく方針が決まってきたからかもしれません。

私はこう見えて口が堅いので、
いろんな人が「その話」をしたくて、
声をかけてくる時期がありました。
もともとすごく親しいならともかく、
全然そうでない人も。

身近な人には言えないけど、
恋をしているんだから、
「彼が(彼女が)どんなに魅力的で、
自分を大切にしてくれるか」を
語る相手が欲しい。
自分がどんなに得がたい相手と出会えたか、
延々語られるのに何度も付き合いました。

恋はするものじゃなくて落ちるもの

そんな小説の一節がはやった時期もありました。
その通りだと感じます。
ひと時、現実の重さから離れられる関係。
今まで経験したことのないような感情。
現実世界では言えない、聞けないセリフ。
シチュエーション。
そして、共犯意識。

何もかも捨ててそこに身を投げ込みたいような衝動。
いや、現実世界があっての、第二の居場所、と
ブレーキをかける気持ち。

実際に行動に移さなかったとしても、
多くの人が、心の中で、
「今ではないどこか」
「夫(妻)ではない誰か」に
心を傾け、ひととき現実逃避をする時期
あったんじゃないかな？
あってもいいんじゃないかな？

ご縁があって結ばれた、
ただ一人のパートナーと
互いに思いあい、
生きていく人生はすてき。
そんな人生であってほしいと願って
結婚する人がほとんどだと思う。
だけど、長い人生には本当に
いろんなことが起きる。
ゆっくり出会うだけじゃなく、
瞬間「落ちる」こともあるんだろう。

それなのに、
なんで「悪人」と扱われるのか。
誰かの強烈な嫌悪感が、
極端なイメージを作っているのではないか。
この「倫理観」はどこからきているのか。

私ぐらいの年代になれば、
そんな「倫理観」で縛れる問題でもないこと、
ほとんどの人が理解できるだろうに。

ふりん　を推奨するわけでも、
市民権を与えろ！というわけでもない。
でも、
水面下で、こっそりと進み、
こっそりと終わっていくものなら、
そっとしとけばいいんじゃないか。

よしんば、家族を巻き込んで、
泥沼の戦いになったとしても、
それはその「家庭の中」の話。

素晴らしい演技をする人、
芸術作品を生み出す人、
そのどちらでもなくても、
誰かを刺激してやる気にさせるような
そんな魅力を持った人の
「表の顔」と「裏の顔」を
区別して考えてもいいんじゃないかなぁと
そんなこと考えます。

何回も書いてるんだけど、
このニュアンスがうまく伝わる気がしない。
だから白黒つけたくなるのかなぁ。

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