花嫁さんのお姉さんであるさえちゃんは
アメリカ人のクリスくんと結婚しています。
で、クリスくんと楽しくおしゃべりしてね、というのが
一つ目の通訳の任務。
どうしてもさえちゃんにお姉さんとしてのお務めがあって、
クリスくんが一人になるときがある。
そのときにちょっと相手してね、ぐらいの感じ。
披露宴のお席もお隣にしてくださっていました。

これは割と大丈夫です。
これまでもクリスくんとはおしゃべりしてきました。
簡単なおしゃべりならできるから、
楽しいねとか、うれしいね、とか
これはマグロとおなすの料理だよ、とか
そんなことをお話しました。

で、今回のもう一つの大事な任務は
「関西弁の通訳」(笑)
正確には通訳ってわけじゃないけど。
気持ちの通訳、って感じかな?

新郎は大阪出身、
ご両親も大阪の方。
でも、結婚式が行われるのは東京。
新郎の勤務先があり、
二人も東京で暮らし、
基盤が東京にあるから。

そして、この時期の結婚式なので、
ごくごく限られたお身内だけが参列。
女性はお母さまだけ。

だから、新郎のご両親、特にお母さまは
なんとなく居心地が悪いんじゃないか、と。
それが新婦のご両親のご心配です。
そこで、大阪出身の私が、
関西弁でおしゃべりできたら、
少し緊張がゆるむんじゃないか。
せっかくの息子さんの晴れの日を
リラックスして楽しめるんじゃないか。
「よかったら新郎のお母さんのお相手してくれませんか?」と
事前にお話がありました。

というわけで、控室で少しだけですが、
ベッタベタの関西弁でお話できました。
他愛のないことです。
慣れない和装が「窮屈で暑くて……」とか
「ずっと関西で大学まで出て、
そのままで関西で就職するのかと思ったら、
東京が拠点の部署になってびっくりしちゃった」とか
そんなことをちょっと話せる相手、
そういうお相手ができてよかったなって思いました。

言葉が通じないわけじゃないけど、
慣れない場所で、慣れない人たちと
でも、人生の中でとっても大事な時間を過ごす。
それってちょっとくたびれちゃいますよね。
そういうお母さまの気持ちに
ちょっとだけ寄り添ってあげて、と
そういうふうに提案してくださった
新婦のご両親はすてきだなあって思いました。

そういえば、さえちゃんの結婚式はアメリカで、
ご両親は逆の立場を経験されたんだった!
だからか~!

お式も披露宴も滞りなくお開きになって、
お見送りでお目にかかった新郎のお母さまと
笑顔でグータッチ。

朝、新幹線で上京して、
忙しい一日を終えて、
また新幹線で帰宅。
こんな時期だから、
ごく限られたお身内だけの移動。
たいへんな一日だったと思います。

ほんと、お疲れさまでした。

結婚式の主役は、
もちろん新郎新婦なんだけど、
それぞれの両親にとっても、
ものすごく大事な、
本当に大切な節目なんです。
だから、「通訳」として
ちょっとだけ役にたてたとしたら、
うれしいな。