本を読みました。
久しぶりの小説。

Facebookで、お友だちが紹介していたもので、
「千の輝く太陽」という本です。
彼女はこう書いていました。

アフガニスタンって物理的にも心理的にも遠い国ですが、『千の輝く太陽』を読むと、人ごとではいられなくなります。

実は、この本を読む前に、
私は別の一冊の本を読みまして、
心にものすごく重たい石のようなものを抱えてしまいました。

この春、ユニクロが新疆綿の取り扱いをやめるか、
継続するか、というニュースで、
ウイグルについて知りたいと思っていたところに、
書店の面陳で↓の本に出合ったのです。

基本漫画で描かれているので、
読みやすいのですが、
内容がすごすぎて、
苦しみながら最後まで読みました。
読み進めることが辛かったし、
なんかホラー小説を見ているようで、
現実味がまったくなかったんです。

シルクロードが大好きです!
死ぬまでにシルクロードを走破したいです!

と、思春期の頃から言い続けてきた私。
その中でもあこがれていた中央アジアで、
今現実に起きていることなの?
本当なの?

と震えながら読みました。

そして、読んだだけで、何もできない自分の無力感に落ち込み。
これまでの、視野の狭さについて、落ち込みました。
何も知らず、ただあこがれていた場所で、
今起きている現実について。

ただ、自分のホームページであっても、
これを取り上げて、
積極的に発言することも「怖い」と思いました。
どこで、誰が監視しているかわからない。
私一人ならともかく、家族がいます。
よくわかってもいないことについて、
本を一冊読んだだけで、
わかったような顔をして発言をすることが、
思わぬ影響を及ぼすとしたら、
それは怖い。本当に怖いと感じました。
それが現実に起きているよ、という本だったから。
そして、そういう自分の臆病さにも、
落ち込みました。

日本の子育てや、教育や、社会そのものに、
問題点がいくつもあり、
そのことについて何十年も考えてはきましたが、
実際に自分ができたことは、
本を書くこと、
お話をすること、
そして、ご相談に乗ること、だけ。
根本的には何もかわらない。
変えられなかった。

この日本においてさえ、
力を込めて書いたものが
日の目を見ないことも経験しました。
※私のような小者でも……

その上に、このコロナで
社会的に力を持たない人の命は軽い、
影響力のある人の命が優先される、という
現実も浮き彫りになっています。
弱い人は、いったん何かあると、
とことんまで追いつめられる。
必要な助けは得られない。
この日本においても。

それでも、人は生きていかないといけないし、
守るべきものは守らないといけない。
守らずにいられない。

だから黙る。
だから思索する。
だから書く。

だから武器を取る。
だから命をかける。
自分たちの尊厳を守るために。

でも、私にはそこまでの覚悟はないなぁ。
今の不自由さの中にある小さな幸せは、
やはり捨てられない。守りたい。
わざわざ苦しみや痛みの中に飛び込んでいくことはできない。

……もやもやしたものを抱えながら、
約三か月。
今度はこの本との出会いがありました。
絶妙のタイミング。

金曜日の午後に届き、
むさぼるように読みました。
食事もせず。ただ先が読みたくて。
救いがほしくて。

そして、ただ本を読んでいただけなのに、
全身ぐったりしてしまいました。

そのことについて、明日は書いてみます。