夏休みに行なわれた陶芸の集中講義で、
「漫画が読める研究室」に誘われ、
居心地のよさから学校にいるときは
基本ここにいるようになりました。

特に参加登録をした記憶もないし、
何かの申し込みなどした記憶もないので、
ズルズルいたら「メンバー」になった
ということだと思います。

そして、いよいよ初めて竹内さんに会う、
というところに至るわけですが、
この大事な節目のことを、
私は何にも覚えていないのです。

たぶん後期の履修登録で、
「まあ、お礼の気持ちも兼ねて、
一コマぐらいとっとくか・・・・・・」的な
まこと上から目線な動機で、
竹内さんの演習とか、なんかそういうのに登録。
周囲の先輩方も全員登録してるし、
まあ、この居心地のいい研究室に居続けるための
身分保障ぐらいの感覚でした。

だから、たぶん初対面は
「はうっ、疲れた~。おお、みんな元気か?」
みたいな感じで、竹内さんから研究室に入ってきたときか、
それとも、
いつも通りに研究室に入ったら、
変なおっさんがニコニコ笑いながらお茶飲んでおしゃべりしているところか、
そんな出会いだったと思います。

雷に打たれるとか、
一目見て「この人だ!」と思ったとか、
そういうことは一切なかった。

ただ、この一人のおじさんとの出会いが、
私の大学生活も、その後の人生も、
大きく変えることになるんです。
人生とはほんとうにわからないものです。