迷いつつ行った国立競技場。
昨年も大学選手権の決勝を見に行ったので、
二回目になりました。

試合はご存じの通り、天理大学の圧勝。
終始危なげのない戦いぶりでした。

そして何より、印象に残ったのが、
キャプテン松岡君!
優勝インタビューの清々しかったこと!

「うれしいです!」という雄たけびに似た第一声。
やんちゃ坊主がそのまま大学生になったみたいに、
涙がぽろぽろ流れて、
顔がくしゃくしゃになって……

一緒にみていた「まつどのなおこさん」と
もらい泣き。

「松岡がいたから」
「大和がキャプテンだったから」
「あいつがいてくれたから」などなど
選手、スタッフ、指導陣も
彼に絶大な信頼を寄せていることが伝わるコメントの数々。

耳か頭部の古傷かを保護するための
テーピングがハチマキにも見えて、
私の中では、
「元気なかわいい魚屋さん」って感じ。
威勢がよくて、ぴちぴちに新鮮な魚を売ってる魚屋さんです。

でも、実際には、
探求心の強い、おぼっちゃま? なのかな?

こんな記事を見つけました。

天理大初V“無名の男”の努力結実…日本一の主将に

彼が学んだ甲南中学→甲南高校のコースは
私の青春時代には、
お金持ちのおぼっちゃまが進むコース。

彼も中学時代から、
長期の休みにはNZに留学を重ねるなど、
恵まれた環境にいたことは間違いなさそうです。

ただ、その環境に甘んじることなく、
まっすぐに、
そこで出会った人の懐の中に飛び込んでいく。
自分の探求心を満足させるべく突き進んでいく、
記事からはそんな印象が伝わってきます。

なんせ外見が「元気な魚屋さん」
ザ・庶民!って感じなので、
そのギャップにもやられちゃうところですね。

今の世の中、
なんとなく、みんながみんな、
お行儀よくしていないと、
思わぬところから槍が飛んできて、
炎上とか、炎上とか、炎上とか……
本質とは違うところで突っ込まれちゃうから、
なんとなく周囲の顔色を見ながら、
おとなしく、無難にまとめようとする傾向が強いように思います。
そんな中での
彼の優勝インタビュー
その勢いは特筆すべきものがありました。

変な忖度なしに、
まっすぐに、真正面から、
喜びをはじけさせて、
感謝の気持ちをあふれさせて、
ほんと、いいなぁ、
若いってすてきだなぁって
思わせくれたことだけでも、
あの場にいてよかった、と思えたことです。

別の試合で、
違うチームのキャプテンが、
敗色濃厚になるなか、
まるで深い感慨に浸るように、
遠くを見つめていたのとは対照的でした。
落ち着いた、達観したような
そんな表情。

彼のことは高校生の頃から見ていて、
どちらかと言えば、
天理の松岡キャプテンのように、
奔放に、また泥臭く、プレーしていくタイプ。
それが四年生になり、
伝統校と呼ばれるチームのキャプテンの重責を担い、
最終学年がこのコロナ。
20歳そこそこの青年が背負うには重かったのでしょうか。

図らずもとどさんと顔を見合わせ、
「試合中にキャプテンがこの顔をしたら負けだよね」
と、言い合いました。

大人の勝手な言い分、
ノスタルジーかもしれないけど、
どんなに敗色が濃厚であったとしても、
キャプテンだけは、
最後まで「勝ち」を目指して
ピッチに立っていたほしかったなぁと思いました。
かなわないと思っても、
でも、せめてあと一つのトライ、
せめてあと一点、
せめてあと1メートル、前に出ていく気概、
そういうものを持っていてほしいなぁと
そう思いました。

キャプテンとなったことで、
その気概を失ってしまったのだとしたら、
それは指導者の責任でもあるなぁと
そんなことも考えました。

キャプテンだからお行儀よくしないといけない、
どこからも突っ込まれないように……
そういうものでがんじがらめになっていたとしたら、
それはかわいそうだったなぁと思うのです。

後者のキャプテンも、
春からはトップチームの新人になることでしょう。
そこで今一度、自由で、ひたむきなプレーを
見せてほしいと願います。

みんな、ラグビーを楽しんでほしい。
楽しむの先にがんばる、があるといいなあと思います

インスタもやってます
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