今日の投稿ですが、
生産者のみなさん、流通のみなさん、飲食店のみなさんを
非難しようというものではありません。
私の筆力のなさでそういう印象を与えてしまったとしたら、
それは「誤解」です。最初に申し上げておきますね。
で、本題です。
SNSの世界で、食材や商品が余ってしまい、
このままでは腐らせるしかないので、
どうか買ってもらえないだろうか？
という動きがあるのをご存じでしょうか？
観光地のおみやげセットとか、
地方で有名な菓子店の
「お徳用詰め合わせパック」とか、
かなりお安い価格設定で売り出されています。
私も何度か購入を考えましたが、
お菓子の詰め合わせは私にとって
今一番危険な誘惑なので、
ギリギリでクリックしない、
いや、やっぱり･･････という攻防を
今も繰り広げています。
さて、そんな中、目立つのが「高級食材」
枕ことばのように、「一般の市場には出回らない」とか
「スーパーなどではお目にかかれない！」などが
くっついて、
「超特大サイズの車エビ」や
「Ａ５ランクの中でも特上クラスの牛ロース」とか、
「極・極肉厚のしいたけ」
「希少な無農薬手間かけトマト」
なんかが紹介されています。
私は食べることが大好きですが、
そんなの聞いたことがない！ とか
そんなのが世の中にあるんだ！ という
「はじめまして」の素材ばかり。
それもそのはず、
まず立ち入ることはない「高級料亭」「高級旅館」「高級レストラン」
でしか味わえないというのですから。
これにも最初は「へー！ ちょっとポチッとしてみるか！」
「これも小さな支援になるかなぁ？」と思った私ですが、
ど れ に し よ う か な ？と
あれこれ見ているうちに、なんか気持ちが荒んできたのです。
ああ、世の中には、私が知らなかった世界がこんなに広がっていたんだ。
少しでも安く、おいしく、体にいいものを、と
主婦のはしくれとして工夫し、手間をかけてきたのだけれど、
素材の時点でもうこんなに違うんだ。
ただ焼いただけ、ゆでただけ、蒸しただけで、
イイお塩でもつけて食べたら
「これはうまい！」となるものが
世の中にはたくさん存在しているんだ！
しかも、スーパーなどでみかけて
「おいしそうだけど高いからこっちにしよっ」と
選んだ庶民派食材のお隣に
大事にパックされて、ちょこんとおすまししていた
「高級食材」なんかをはるかに超える
超弩級の高級食材があるんだ！
ということを知ってしまった無力感orz
高度成長と共に自分も成長してきた私たちアラ還世代は、
教育のおかげで「みんな平等、民主主義バンザイ！」と
信じ込んで生きてきましたが、
少なくともこの国は違ったらしい。
こんなことがなければ、
私たちの口には一生入らなかった食材を
毎日のように、たくさんのお金を払って食べられる人が
この世の中を回してきたんだ、ということが
わかっちゃった。
賭け麻雀がバレて、
しかも自分の仕事から考えたら、
絶対に日頃からつるんじゃだめな人たちと
定期的にお金をかけて麻雀してきた人が、
「責任取ります」と辞職して、満額の退職金をもらい。
その人の定年を延長するために、
国会がもめたり、
知識人という人たちがキャンペーンを張ったり、
政府が「いやいやこれは大事な法案です」と
ごり押しで通そうとしたりした、
ホントに今決めなくちゃいけないことを
そっちのけで進めてきた、その張本人のことなのに、
それを推進した人たちは誰も責任は取らない。
たぶん新聞記者さんたちには処分は下るだろうけど、
もし万一クビになったとしても、
次の引き受け手は山ほどいるでしょう。
一方、
このコロナ禍の中で
「明日から来ないでいいです」
「ごめん、お店閉めるわ。やっていけない」
と言われて、
雇用保険にも加入しておらず、
次の仕事もすぐに見つけられず、
何の保障もなく、
一気に生活が困窮していく人たちがたくさんたくさんいる。
会社が倒産して、もらえるはずだった
退職金が一円も出ないという人もいる。
そりゃそうだ。
日常的に超高級食材を食べてきた人に、
庶民の気持ちなんかわからない。
あなたたちのその食材を買う力を支えるのに、
必死で働いて、マジメに税金を払っている人たちは、
きっとものすごい高いピラミッドの
ネズミ講の最底辺にいる子どもたちに思えるのでしょう。
ちまちまと稼いで、小さな贅沢によろこんで
「ほら、世の中平等だよね。頑張ればいいことあるよね」と
思い込まされてきた人たちは、
何かあったら真っ先に見捨てられる。
それがわかっちゃった。
でも、コロナが終わったら、
みんなそんなこと何でもなかったように、
またその高級食材を求めて、
食べて、飲む日々を再開するんでしょうね。
庶民がささやかな贅沢を楽しめる日々は、
そのずっとずっとあとから来る。
来ないで絶望する人もいる。
もういい加減、身にしみてわからないといけないんだと思う。
私たち良いように利用されていただけだったって。
そして、これからの日本は、そうじゃない世界にしていかないと。
理想論じゃなく、できるところから。
