もうずいぶん前の話ですが、
友人が立候補することになりまして、
そこに公認された政党から
「選挙のプロ」という方が派遣されてきたのです。

そりゃもう手際よくいろんな手配をなさるのを
「世の中には面白い仕事があるものだなぁ」
「なんにでもスペシャリストはいるものだなぁ」と
ポカンと眺めておりました。

そして、その方が候補者である友人に言ったひと言が
今でもものすごく印象に残っています。

立候補するということは
精神的なストリップです。

そのぐらい丸裸になって、
人前にさらされるということなんですね。

芸能界の方や、
いろんな世界で「有名人」となられた方が
薬物に溺れた、頼った、という報道があるたび、
この言葉を思い出します。

スカートの中に手鏡を入れたとか
下着を盗んだ、なんていうものもありましたね。

人生順風満帆な時だけではありません。
いいときはイケイケドンドンで進んでいけたとしても、
人気に陰りが出たとき、
人間関係や人生の節目で
とても苦しい思いをしたとき、
それでも変わらず人前に出続けるためには、
何かの助けが必要なんだろうなぁと思うのです。

それが合法的なスリルだったらいいけど、
ほんの半歩外れたら、
「犯罪者」になっちゃうんだな。

お友だちが
「私、何者かになりたかったのに、なれなかった」
って言ってたことがあったけど、
何者かになるってことは、その他のいろんなことを
捨てる、手放すってことかもしれない。
そして、その代償が、
非合法なものに頼らないと維持できないような
脆弱なものだとしたら、
それはほんとうにはかないなぁ。

そして、飛躍するかもしれないけど、
そういう危うさギリギリのところにある
美しさや激しさ、彩りなどを
安全なところから眺めさせてもらっている立場からしたら、
あまり目くじら立てずにおきたいなぁとも思う。
いけないことはいけないとして、
やり直す余地というか、余裕を持って
責め立てずにいたい、とも思うのです。

と書いたら、こんなキャンペーンがありました。

よろしければご賛同くださいませ