子育てに関わる仕事をしている人間にとっては、
かなり息苦しいニュースが続いています。
何かがおかしい。絶対おかしいです。

幼い子どもを預かる施設での体罰とか、
言葉の暴力とか、
性的な虐待・・・・・・。

これらは、絶対にあってはならないことなのに、
もし、もしも、万一、万が一、百万が一、
そういう黒い衝動がもくもくわきあがってきたとしても、
それを抑える力があるのが人間、と、
それが『理性』だと、
私は大学時代の恩師から教わりました。
その恩師が尊敬していた、林竹二先生は、
それが人間と動物を分けるポイントだ、と
そう繰り返し、繰り返し、教えておられました。

たとえば、身近なところで、
「ちょっとブレーキが壊れかけてる」と
感じさせるひとがいたら、
そして、それが弱い人に向かっているとしたら、
周りにいるひとは全力で止める責任がある。

複数の職員がいて、
その人たちが見ているのに、
止められない。
止められないどころか、
一緒になって、その衝動に呑まれてしまう。

これって本当に怖いことなんです。

人と人がちゃんと横につながってない。

子どもだけではなく、障害のある方、高齢の方、
つまり、社会的にすごく弱い、
誰かの助けを借りないと生きていくことが難しい人たちに対して、
攻撃の矛先が向くっていうのは、
人間が人間らしい部分を失っているっていうことだし、
たとえ、一人そういう人がいたとしても、
周囲が全力でそれを止めるっていう、
人と人のつながりがなくなっていることだと思います。

何をみんなそんなにイライラしているのか、
どうしてブレーキが壊れちゃったのか、
そして、
今もどこかにそのブレーキが壊れちゃった人に、
お世話してもらわないといけない、
弱い人たちがいるっておもうと、
いたたまれない気持ちになります。