日本人っていうか、
日本の国っていうか、
ここらあたりには
ひとつのことを
地味に、長く続けることが正しいこと、
っていう思い込みが
強く根付いているような気がします。

それが間違い、というのではないけれど、
あまりそれが強調されすぎると
途中でやめることは悪
いろんなことに手を出すのは悪
みたいな逆の思い込みも育ってきちゃいますね。

うちの娘は、お兄ちゃんとは逆。
いろいろなことを経験してきたタイプ。
3歳から大学1年まで同じスポーツを続けてはいましたが、
その傍ら、中学の部活では演劇を選択し、
脚本を書いて賞を頂いたり、
ボーイッシュなキャラを生かして男役を演じたら、
大会で出待ちが出るくらいの人気ものになりました。

なんか不思議な気持ちで、
サインなんかしちゃう娘を見ていました(~_~;)

また、絵描きを目指していた私の父、もしくは
ああ見えて緻密なスケッチが得意なとどさんの遺伝か、
絵を描くのもすごく得意で、
折りに触れて似顔絵を描いてくれたりします。
このホームページのアイコンのいくつかも、
彼女が描き下ろしてくれたものです。

職場で作った手づくり風船デコ

こういうマルチな経験は、息子にはできなかったもの。
彼女の人生の彩りとしては、
とても鮮やかですてきなものだと思います。

そして、大学1年の時、
長く続けてきたスポーツをやめることになったのも
彼女なりに考えた結論。
親としても、納得ができるものでした。
ちょうど母が倒れたことも、
その決意を後押しする形になったと思います。

でも、そのおかげで、
大学の先生から紹介を受け、
素晴らしいアルバイト先に出会い、
これまた得がたい経験を積むことができました。

あのまま体育会で続けていたら、
とてもそんな余裕はなかったでしょう。

そしてコツコツとためたお給料で、
大学卒業時にはお友だちとヨーロッパに。

長く続けてきたことをやめたからこそ、
出会えたものもある。
経験できたこともある。
彼女はそれを身をもって教えてくれています。

親として二人を見たとき、
どちらがいい、
とも思わないし、
どちらが幸せとも思いません。

それぞれにいいことも、よくないこともある。
で、それを「幸せ」と感じるかどうか、
「よかった」と思えるようになるかどうかも、
本人の努力だけではなく、
さまざまな巡り合わせの結果だと思います。