とてもすてきなお友だちがいます。
数年お目にかかっていないし、
あちらが私を友だちと思ってくれているかは別にして。
優雅で、穏やかで、
暮らし方がとてもていねい。
お子さん達への愛に溢れていて、
衣食住すべてとても手をかけて
育てているのがわかりました。
そのおかげで、
三人のお子さんは全員優秀。
旦那様は社会的地位の高い方で、
とても大きなお屋敷に住んでいました。
いつもご夫婦ご一緒で、
派手ではないけれど、
上質なものをいつも身につけている。
この人は「明日お給料日だから、今日はお米が買えない」なーんて
一度も思ったことがないんだろうなあ？
でも、こんなにすてきな人だから、
幸せな結婚生活、豊かな生活が送れるんだなあ。
私なんか、まだまだだもんな～。
ぐうたらだし、だらしないし、
子どもたちのことは怒鳴り散らすし、
家のことより昼寝を優先しちゃうし、
お弁当なんか「チン」だし･･････。
密かにあこがれていた、といってもいいと思います。
いつ会っても、穏やかで、にこやかな彼女に。
そして彼女の暮しに。
でも、彼女は今一人で暮しています。
何があったのか、わかりません。
私は彼女の笑顔の後ろにあるあれこれを
想像しようともしなかった。
近くにいてずっと見ていたのに、
何も見ていなかった。
数年ぶりに会ったとき、
彼女の顔を見るなり涙が溢れてきて、
ひたすらお詫びをしたのです。
本当にごめん。
勝手にあこがれててごめん。
アナタの気持ちに気付かなくてごめん。
何も聞いてあげられなくてごめん。
彼女は
「いいのよ～」と
やはり穏やかでやさしい笑顔でそう言いました。
人間の幸せって、本当にわからない。
人生の正解もわからない。
正解があるのかどうかもわからない。
90億もらっていても、
50億チョロまかしたくなる人の気持ちもわからない。
還暦近くになったら、
そういうこともわかるようになるんじゃないかと思っていましたが、
ますますわからない。
わからないってことがわかってきたのです。
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